話題の企業で面談シリーズ。
スルガ銀行、わひこに続く第三段は、
TATERUです。
TATERU公式サイトより引用 |
もう、旬は過ぎてしまったかもしれませんが。
スルガ銀行のときもそうなのですが、
個人が特定されることは避けたいため、
多少時間が経ってから
掲載していることをご了承ください。
TATERUとは
まずはTATERUとはどのような会社かご存知でしょうか。
創業から10年程度で東証一部に上場し、
一時期は、
サッカーの本田圭佑選手を広告に起用、
本社を表参道徒歩圏の新築ビル上層に移転
等々
まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。
特に創業の地福岡県では、
福岡市や西京銀行と組んだ事業で
確固たる地位を築いていました。
TATERUのホームページトップには
以下の記載があります。
「ネット」×「リアル」で新しいサービスを。
不動産業界に新たなサービスを生み出します。
実際にやっていたのは、
一言で言うと
「自社プロデュースの建売新築販売(融資付)」
がメインです。
“自社プロデュース”の部分は、
IoTを利用しているとのことで、
先進的なことが満載です。
これで入居者にもオーナーにも
独自性とメリットを与えています。
ぱっと見、
オシャレで先進的で惹かれますよね。
実際、入居率は良かったようです。
TATERUがやらかしたこと
公式サイトには、以下の通り記載されています。当社従業員が顧客から提供を受けた預金残高データを改ざんし、実際より多く見せて金融機関に提出し、融資審査を通りやすくしていた事実が判明した
参考:TATERU公式サイト「再発防止策について」
預金残高(通帳)改ざん
金融機関の融資審査では、融資対象の財務状況を確認します。
なんとなく感覚的にわkると思いますが、
預金残高が高い(お金を持っている)
↓
将来のリスク(融資の金利上昇、高額な修繕の発生)への耐性がある
預金を貯めるような生活/事業習慣がある
といった判断がなされるので、
お金を持っている方は融資が受けやすいのです。
そのため、融資を引き出しやすくするために、
預金残高を改ざんして金融機関に提出していた
ということです。
正直なところ、
当時、こんなことやっていた不動産会社は
TATERU以外にもめちゃくちゃ大量にあります。
特に、過去のスルガ銀行のように
行員までぐるになってやるような
審査がザルのような銀行相手には、
不動産投資に取り組んでいる非常に多くの会社が
やっていました。
そして、そういった不動産会社の多くは、
…実は今も普通に営業していたりします。
このサイトでも記載されていますが、
私は、このことの方が大問題だと思うのですが、
残念ながら、
なぜか不動産業界の所管の国土交通省の対応は
緩いです。
それよりも、不動産会社に騙された形で
融資を行った金融機関の方が、
所管の金融庁から厳しい対応を受けています。
TATERUが他の不動産会社と異なる点
さて、その不正を働いていた1社がTATERUだったわけですが、
不正を働いていた他の不動産会社と
TATERUが異なる点が2つあります。
- 一部上場企業であった
- 騙した金融機関がスルガ銀行ではなかった
一部上場企業
先ほど、「不正を働いた不動産会社が今も普通に営業している」
と記載しましたが、
実は、特に激しくやっていた会社は、
世間が不正を騒ぎ始めたときに
そそくさと会社をたたみました。
当時、不動産投資で有名だった会社が
突然数社消えていますので、
調べてみてください。
それらの会社は、
今後営業を続けても
今までのような利益を上げられないと考えたのと、
不正がばれて問題になることから
逃げたのだと思います。
しかし、株式を公開している一部上場では
そんなことは簡単には出来ません。
さらに、上場している会社だからこそ、
不正を行った不動産会社の中でも
TATERUだけが報道等で叩かれたのだと思います。
もちろん、株式を公開していることだけが理由かは分かりませんが、
それでも”逃げた”会社(の経営者や従業員)に比べれば、
自社の不正に真正面から向き合って、
真摯に再発防止に取り組んでいるTATERUの方が
私は評価出来ると思います。
いや、不正自体は良くないんですけどね。
騙したのがスルガ銀行ではなかった
TATERUが主に騙したのは、山口県に本社を置く地方銀行の
西京銀行でした。
参考:「TATERU 西京銀行」のGoogle検索結果
当時の私の知識だと、
他の不動産投資会社や
不動産投資に取り組んでいる大家たちから、
西京銀行の融資情報を聞くことは
まったくありませんでした。
私がTATERUと面談したときにも、
TATERUを通せば、
東京在住の私でも西京銀行からの融資を受けられる
といった、
西京銀行との特別な関係を匂わす発言を受けました。
実際に、西京銀行ではTATERU向けの融資案件に取り組んでいました。
ただし、西京銀行では行員による不正はありませんでした。
参考:西京銀行のニュースリリース
それに対し、スルガ銀行の不正融資総額はなんと1兆円という巨額に上り、
しかも行員の方までが不正に関わっていました。
参考:日経新聞「スルガ銀、不適切融資1兆円 書類改ざんなど」
銀行としっかりタッグを組めることは、
不動産会社としては最高の勝ちパターンです。
企業家目線で見ると、
そこに持ち込めたTATERUはスゴイと思うんですよね。
だからこそ、不正さえ働かなければ…。
以上がTATERUに関する予備知識になります。
私が面談した内容や
TATERUを購入するとどうなるかについては、
次の記事でご紹介します。